ソーシャルレンディングを利用する際の注意点
2017.04.19

ソーシャルレンディングの光と影

ソーシャルレンディングは、ご周知の通りお金を借りたい個人または企業と、お金を貸したい投資家とのマッチングを行う画期的なサービスであり、しかも小口から始められるという点が評判を集め、現在急速にユーザーを拡大していますが注意も必要です。従来の投資と比べてもリスクが小さく、手軽に始めやすいという点は高く評価できますし、人を介さない分だけ経費の節約にもなるという点は確かに魅力的です。

原則として匿名で参加できるというのもある人にとっては都合の良い部分ですが、どこのものか分からない出所不明のようなところに大事な資産の一部を簡単に明け渡せるのか、不安に感じる投資家がいても当然です。運営会社が借り手の個人情報をきっちりと調べ上げた上での募集ですから、後はwin-winの精神で取引をしていくのが建前になっていますし、投資する方もそのつもりで参加すべきです。

個人情報の漏洩と拡散を極力避けるという意味では、お互いに身分を証さないで取引をするということはメリットかもしれませんし、それなりにセキュリティ上の安全性も保護されているならば評価ができます。運営会社がどこまで精密に相手を調べているかが問題です。投資家にとって最も不安な借り手の倒産や返済遅延による損失ですが、経済は流動的ですから簡単に予測がつきにくい部分です。

良質な案件を選別できる判断力を投資家自身も持つ事が先決でもあります。基本はあくまでも貸金業法にのっとっての取引です。確実にお金を返済してもらえなければ、投資家が計画を持って望んだすべての予定が狂う事になります。借り手も信頼にのっとってお金を借りるという意味で、必ず事業を成功させなければという気負いを持って参加して欲しいところですが、今の時点で銀行も消費者金融も信頼しきれない不安材料が多いという現実もありますから、投資家が運営会社を適切に選ぶ事も重要です。

ソーシャルレンディングの使い分け

ソーシャルレンディングの運営会社は、第2種金融商品取引業の登録会員であることと同時に貸金業登録会員であることからもわかるとおり、銀行と消費者金融の両方の性質を保有する事業団体です。その際に手渡される契約締結前書面を借り手と貸し手両方でしっかり熟読し確認をする事は重要ですし、正真正銘、同意できた時点で匿名組合契約を締結しましょう。

眠っていても自動的に分配金が投資家の登録口座に入金されるしくみになってはいますが、こまめに口座を確認しておいた方が無難です。特に貸付タイプのソーシャルレンディングですと、借り手が希望する金額に達していれば貸付は実行されますが、一定期間で融資額が満たされなければ満たされるまで待機する事になりますし、最悪差し戻される事もあります。分配金が投資家らに配分される際には手数料や税金を差し引いた分が配当されますから、場合によっては元金を下回る金額になる可能性もあります。ソーシャルレンディングの大事な特徴として元金の保証が一切ない点や、営業所によっては担保保証すらないものもあるのです。営業所を選ぶ際には少なくとも担保保証付きのものを選んだ方が無難です。

少し慣れてきたところでマーケットタイプやオークションタイプ、あるいは海外向けのソーシャルレンディングや少々変わり種の案件などにも挑戦してみると良いでしょう。借り手が注意する点として審査の基準は信用調査会社でのデータが元になる点です。過去に貸金業者との間でなんらかのトラブルが1回でもあると、ソーシャルレンディングの利用は大変難しくなります。

ソーシャルレンディングはここに注意

取引はすべて匿名で行われますが運用状況はホームページ上でリアルに公開されていますから、利用したい事業所の実績を確認する事ができますし、現在募集中のファンドも見つける事ができます。匿名利用ができるという点では周囲に隠して投資または借り入れを希望する場合は便利ですし、少額および早期の投資や借り入れを希望する者にも使い勝手は大いにあります。

状況に応じて分散型投資も可能ですからローリスクでの利用が可能ですし、事業所によっては投資対象が明確かつ手数料無料というのもあります。投資家は社会貢献を体験できるというのも魅力でありユーザーが拡大している由縁ですし、実際国内では拡大しつつあります。しかしながら基本は貸借である以上、万が一投資した事業が停滞した場合は最悪貸倒になるケースもあり得るという点では、リスクが0でない事も覚えておくべきです。いざというときのトラブル回避は事業所による審査レベルにゆだねる事になりますから、今後どこの事業所と匿名契約をするかを見極めが重要です。

もちろん事業所がアフターフォローをしていくようになりますから、実績が充分になり信頼のおける事業所を選択していくべきである事は当然です。事業所は貸金業法にのっとった事実上の消費者金融になるわけですから、審査の厳しい銀行と法的制限を受けている消費者金融とがどの部分で融合していくかは、まだ不透明な状態にあります。発祥の地である欧米でうまくいった事業モデルが、そのまま日本の文化に丸ごと適応できるわけではありませんから、今後の法整備に期待する部分が大きくあります。

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